ナンプレ(数独)の解き方 〜上級〜

2016/10/30
4.上級

「上級」では、パズル専門誌でも難問の部類に入る問題を解くための解き方を紹介します。上級の解き方は他にも多数ありますが、その中でも比較的よく出てくる解き方に絞ってみました。


4.1  2候補数字のマスを利用

4.1.1 Remote Pairs

Remote Pairsでは、同じ2つの候補数字だけのマスが偶数個あり、そのマスが順番に同じ行か列かブロックに含まれる関係でつながっています。下の図の点線は、2つのマスが同じ行か列かブロックに含まれていることを表しています。

下の図では、「A6、A3、C2、E2」に入る数字の組合せは「1、2、1、2」か「2、1、2、1」の2通りしかありません。このことから、A6とE2のどちらかには必ず1が入るということが分かります。そのどちらに1が入ったとしても、E6に1を入れることはできないので、この候補数字を消去できます。同じ理由で、もしE6に候補数字2があれば、この候補数字も消去できます。候補数字を消去できるマスは、A6の排他エリアとE2の排他エリアの両方に共通するマスです。


4.1.2 XY-wing

XY-wingでは、3つの数字のうち2つを候補数字とするマスが3つあり、その3つのマスの数字がの組合せが全て異なり、3つのマスが順番に同じ行か列かブロックに含まれる関係でつながっています。

下の図の例で説明しますと、3つの数字が1と2と3で、3つのマスは「1,2」「1,3」「2,3」のように数字の組合せが全て異なっています。このとき、E2に入る数字を1以外、つまり3と仮定すると、B2は2→B5は1、のように数字が決まります。逆にB5に入る数字を1以外、つまり2と仮定すると、B2は3→E2は1、のようになります。このことから、B5とE2の少なくともどちらかには必ず1が入るため、E5の候補数字1を消去できます。

下の図は3つのマスの並び方が異なる例です。この例ではB5とC1の少なくともどちらかには必ず1が入りますので、色の付いているマスにある候補数字1を消去できます。色の付いているマスは、B5の排他エリアとC1の排他エリアの両方に共通するマスです。

XY-wingは見つけにくいのですが、まずは行方向と列方向に「X,Y」と「X,Z」の2マスを探し、もし行方向で見つかれば次は列方向とブロックで、列方向で見つかれば次は行方向とブロックで「Y,Z」を探すという2段階で見つけるといいでしょう。


4.2 強リンクを利用

● 強リンク、弱リンクとは
強リンク:
 ある一つの行・列・ブロックに含まれるたくさんの候補数字の中で、ある数字が2つしか含まれていないとき、その数字を含む2つのマスは強リンクでつながっていると言います。
 左の図で行Eに注目してみますと、候補数字1はE4とE6の2マスにしかありません。従って、E4とE6は1の強リンクでつながっています。G4とG6も同様に1の強リンクでつながっています。

弱リンク:
 ある一つの行・列・ブロックに含まれるたくさんの候補数字の中で、ある数字が3つ以上含まれているとき、その数字を含む2つのマスは弱リンクでつながっていると言います。
 左の図で列4に注目してみますと、候補数字1はB4とE4とG4の3マスにあります。従って、E4とG4は1の弱リンクでつながっています(B4とE4、B4とG4も)。E6とG6も同様に1の弱リンクでつながっています。



強リンクでつながっている2マスには次のような性質があります(1の強リンクの例で説明します)
 ・ 一方のマスが1で確定すると、もう一方のマスには1以外の数字が入る
 ・ 一方のマスが1以外の数字で確定すると、もう一方のマスには1が入る


弱リンクでつながっている2マスには次のような性質があります(1の弱リンクの例で説明します)
 ・ 一方のマスが1で確定すると、もう一方のマスには1以外の数字が入る
 ・ 一方のマスが1以外の数字で確定しても、もう一方のマスに1が入ることは確定しない


強リンクを利用する場合は、まず全ての行と列で強リンクとなっている候補数字を見つけて、その行や列の近くにその数字を書いておくと、解法が見つけやすくなるでしょう。

4.2.1 X-wing

下の図は上の「強リンク、弱リンクとは」の図と同じです。E4とE6、G4とG6が1の強リンクでつながっていて、この4つのマスが長方形のように並んでいます。このような場合この4つのマスへの1の入り方は、E4とG6か、E6とG4のどちらかの組合せになります。

次に列4に着目すると、E4かG4のどちらかに1が入ることが決まっていますので、列4のそれ以外の候補数字1を消去できます。ここではB4の1が消去できます。

同様に、列6に着目するとH6とI6の候補数字1を消去できます。


4.2.2 Skyscraper

Skyscraperでは4つのマスが強リンク-弱リンク-強リンクでつながっていて、2つの強リンクは平行に、強リンクと弱リンクは垂直になっています。

下の図でB6に入る数字を1以外と仮定すると、B2は1→E2は1以外→E4は1、のように数字が決まります。逆にE4に入る数字を1以外と仮定すると、E2は1→B2は1以外→B6は1、のように数字が決まります。このことから、B6とE4の少なくともどちらかには必ず1が入るということが分かりますので、色の付いているマスにある候補数字1を消去できます。色の付いているマスは、B6の排他エリアとE4の排他エリアの両方に共通するマスです。


4.2.3 2-String Kite

2-String Kiteでは4つのマスが強リンク-弱リンク-強リンクでつながっていて、弱リンクは1つのブロックに含まれ、2つの強リンクは垂直になっています。

下の図でA6に入る数字を1以外と仮定すると、A3は1→C2は1以外→E2は1、のように数字が決まります。逆にE2に入る数字を1以外と仮定すると、C2は1→A3は1以外→A6は1、のように数字が決まります。このことから、A6とE2の少なくともどちらかには必ず1が入るということが分かりますので、E6の候補数字1を消去できます。


4.3  2候補数字のマスと強リンクを利用

4.3.1 W-wing

下の図では、4つのマスが1の弱リンク-1の強リンク-1の弱リンクでつながっていて、リンクの両端の候補数字が1と2だけになっています。

ここで、B6に入る数字を2以外(つまり1)と仮定すると、B2は1以外→E2は1→E4は1以外(つまり2)、のように数字が決まります。逆にE4に入る数字を2以外(つまり1)と仮定すると、E2は1以外→B2は1→B6は1以外(つまり2)、のように数字が決まります。このことから、B6とE4の少なくともどちらかには必ず2が入るということが分かりますので、色の付いているマスにある候補数字2を消去できます。色の付いているマスは、B6の排他エリアとE4の排他エリアの両方に共通するマスです。

2つのマスに同じ2つの候補数字が入っている場合には、この解法の可能性を探ってみるといいでしょう。


4.3.2 浜田ロジック

下の図では、4つのマスが1の弱リンク-1の強リンク-1の弱リンクでつながっていて、リンクの両端の候補数字が1と2だけになっています。

ここまではW-wingと同じですが、さらにD6の候補数字も1と2だけで、B6とD6、D6とE4がそれぞれリンクでつながっています。W-wingと同じ考え方から、B6とE4の少なくともどちらかには必ず2が入りますので、D6は候補数字2が消去されて1で確定します。そしてD6が1なので、B6とE4は2で確定します。

3つのマスに同じ2つの候補数字が入っている場合には、この解法の可能性を探ってみるといいでしょう。


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